2023/01/02

最初のJ.HEMMI "SUN" ロゴ No.1/1

こちらも英国からの里帰り。

初期型の片面マンハイム尺。極初期型より厚みが若干薄く感じられる。ISRMの年表にはSUNロゴの確立は1917/12、使用者の彫り込みが1918 なので製造時期が符合する。 (*1)
ブランド+ロゴマークはこれもやはり模倣である。
  • 「A.W.FABER. ■"CASTELL"■」 (■は城をモチーフにしたアイコン、左右対称)
  • 「J.HEMMI. 〇"SUN"〇」 (〇は太陽と雲のアイコン、左右対称)
太陽に同じ長さの光線が10本もあり横から見たモヒカン刈りにも見える。また、後に2本線になってしまうが下側の線が繋がったZ型で雲であることが分かる。ロゴマークはその後微妙に変遷し太陽の光線の形や長さ、本数、雲、引用符にバリエーションがある。後日まとめて紹介しようと思う。
零戦設計者の堀越二郎氏が使用していたのもこれと同時期のNo.1/1である。

器種
概要
タイトル 最初のSUNロゴ計算尺 HEMMI No.1/1
ブランド HEMMI
型番 No.1/1
ロゴ J.HEMMI. 〇"SUN"〇
引用符""はやや内向き
〇は太陽に光線 (クサビ形同一長10本) 、雲 (Z線)、左右対称
サイズ 10 "
スタイル //Closed||
システム Mannheim
製造時期 1917/12 (ロゴ制定後) ~1918
製造国 日本 (墨入れの薄いMADE IN JAPANが滑尺中央にある)
構造 【ヘンミ片面G1-初期型】
リベット:正面、エッジ、滑尺の両端すべて
溝:セルロイド
裏窓:長丸穴タイプ
接合版:真鍮錫メッキ
寸法
[mm]
長さ 280
33
厚さ 9.2
重量
[g]
総重量 79
カーソル 4
材質 本体 竹、セルロイド
接合版:真鍮
ネジ:鉄
リベット:アルミ
カーソル 【初期型アルミ矩形】
フレーム:アルミ
板バネ:鉄
ウィンドウ:ガラス

目盛り
表面 A
[B, C]
D
裏面 -
[S, L, T]
-
計・備考 7尺・目盛線タイプ:Railway track
その他
目盛り
ゲージ
マーク
【A,B尺】
π=3.1416
M=1/π: A,B尺での連続計算でπを含む計算に使用。
【C,D尺】
π=3.1416
C=√(4/π): C,D尺の直径からA,B尺に面積を計算。
C1=√(40/π): Cと同様だがA,B尺の2単位目 (10~100) に対応。
定規 上 inch
下 cm
溝延長 cm
付属品 ケース 濃緑色の布紙張り厚紙筒、かまぼこ型、ホック方式 (ベロ部分欠損)、
280mm。
マニュアル 欠品 (存在自体不明)
その他
備考 特許等 ストック下中央のロゴマーク横に「PATENT. №22129.」
その他 溝にも「専賣特許第二二一二九 逸見式改良計算尺」(右横書き)
「J.HEMMIS ADJUSTABLE SLIDE RULE」(*2)
使用者独自のゲージマークが入れてある。用途不明。
C,D尺に2.12辺りにM
C,D尺に2.21辺りにC

*1 「BRITISH PATENT 107562」の出願~取得は1917年2月12日~7月5日であり、使用者はその刻印の製品が英国にまだ入っていない時期の在庫製品を購入したのであろう。日本特許番号だけの英国輸出版は他に"C.BAKER 244 HIGH HOLBORN LONDON"(スタンプのみ)などある模様。
*2 ”ADJUSTABLE”:日本特許22129でも英特許107562でも、金属板の上下方向の曲げ調節によりストック (固定尺) とスライド (滑尺) の接触圧を緩めたり、密にして矯正できると説明している。

常態

表面、溝

裏面

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