Prime Number Day

素数日チェック:

上の数字文字列(4294967299までの自然数)が素数かどうか確認できるよ。

1か月内は? 2034年4月に何かが起こる!?→素数日データベースでは回数や連続性、ギャップ、素因数などについて調べてみた。こちら

素数の話

素数は奥が深い。数学の神秘だ。宇宙は物理法則の異なる世界(マルチバース)が考えられ、別の宇宙では未知の素粒子や物質があったり、光速 (もはや光とは言わない別のものかも) が秒速100kmとか1億kmとかかもしれないが、しかし数学は唯一絶対だ。円周率は2次元で測れば必ず 3.1415926535.... だし、素数はどんな世界でも同じ法則になる事に疑いはない。特に整数論では素数に関する定理・公理が良く登場するが、それらは騙しようがない真実だ、と自分は確信している。素数に絡む未解決問題が多く存在している事からも、数々の数学者たちを魅了して来た事がうかがえる。素数は円周率 π や自然対数 ln (つまりはネイピア数 e) と関係があるらしい。直感で関連を導こうとしたオイラーやガウスは本当に天才だ。

素数と暦に時々出現する素数日について書いてみた。学術的な説明は Wiki 等から引用した。イメージもいろんな所から拝借m..m。

そもそも素数とは

  • 1 より大きい自然数で、正の約数が 1 と自分自身のみである数の事。(対義語は合成数)
  • 素数は無限に存在する。(ユークリッドの証明)
    • a, b, …, k を任意に与えられた素数のリストとする。その最小公倍数 P:=a×b×...×k に 1 を加えた数 P+1 は、素数であるか、合成数かのいずれかである。素数であれば、最初のリストに含まれない素数が得られた事になる。
    • 素数でなければ、何らかの素数 p で割り切れるが、p はやはり最初のリストに含まれない。なぜならば、リスト中の素数は P を割り切るので、P+1 を割り切る事は不可能だからである。任意の素数のリストから、リストに含まれない新たな素数が得られるので、素数は無数に存在する。

身近なところから暗号技術まで

  • 子供の頃によくやった小銭貯金のカウント。大量のコインで同じ高さの束を作る時、全て「1段で広げる」、「一本でうず高く積み上げる」のどちらかしか、コインタワーの高さを統一する方法がない時の数。

  • ババ抜きで言うと素数の 53 枚だから何人でやろうとも同じ枚数を配れない。厳密には開始時点で公平ではないゲームなのだ。53 人でやれば別だが最初の一人はいきなり上がれるが、それ以降、序盤は 3/53 の確率の引き合いを繰り返し、なかなかペアができず決着に時間が掛かりそう。

  • 歯数を素数にした素数ギアというものがある。ギアと噛み合う別のギアの歯数やチェーンのリンク数がその倍数でない限りギア比が必ず「互いに素」となる。そうすると全ての歯が相手側の全ての溝にまんべんなく当たり偏摩耗や振動を防ぎ長持ちするのだ。

  • 北米に生息する素数ゼミは 13 年ないしは 17 年間の周期で大量発生する。(捕食者との遭遇や異周期の亜種との交雑が抑制されているという説がある)だが、221年(13 x 17)ごとに鉢合わせとなり大騒音となる。

  • 「素数の逆数」の無限和は に発散するが、「素数の平方/素数の平方-1」の無限積は収束する。ちなみに元の形はゼータ関数 ζ(2) で、これは「平方数の逆数」の無限和でもありオイラーが巧みに因数分解した形である(オイラー積)。分母の "6" は円周を半径できっかり分割できる数であり最小の完全数でもある。
    •  Π(p2/(p2-1)) [p:prime] =  Σ(1/n2) = π2/6 


  • x 以下の自然数の中に存在する素数の数を π(x) とした時その比率は素数定理で近似できることをガウスが発見した。NHKの「笑わない数学」で素数が出現する度に1段ずつ上がる素数階段の高さを予想するという表現は非常に分かりやすかった。
    • π(x)/x ≅ 1/ln(x) ←ちなみにこの紛らわしい π は円周率ではない。

  • 双子素数いとこ素数セクシー素数三つ子素数...など近隣の素数の組がある。(無数に存在するかは未解決問題の一つ)その一方でいくらでも離れた素数の組(素数ギャップ:つまり二つの素数の間の連続数は全て合成数)が存在する。まるで宇宙の大規模構造の「ボイド」のようだ。むしろ逆で素数ギャップがそれまでに出てきた素数を必ず因数に持つ満ち足りた空間で、素数が虚無な部分かもしれない。

  • 巨大な数の素因数分解が困難である性質を利用した RSA 暗号に応用される。

  • ゼータ関数上の零点の分布の数式が、原子核のエネルギー間隔を表す式と一致する。

  • 2023年現在、最大の素数はそれまでに分かっている中で5x番目のメルセンヌ素数で桁数にすると2486万2048桁。
    • 289589933-1

素数日って?

  • 西暦年月日(yyyymmdd)が素数となる、ほんの少し特別な気がする日。自分の誕生日が素数日だとちょっと嬉しいが、自分は残念ながら合成数だった。
  • 西暦が一般に使用され始めた15世紀頃から約600年の間に約13,500回(概ね6%位、月に1~2回)の素数日がある。

西暦(キリスト紀元)とは

  • 6世紀のローマの神学者ディオニュシウス・エクシグウスが復活祭や当時のイエスの年齢から生年を逆算しディオクレティアヌス紀元279年をキリスト紀元563年としたのが始まり。
  • 西暦1年から524年までは概念上の存在。
  • 紀年法としては
    • ローマ建国紀元754年=イエス・キリスト生誕元年。
    • ディオクレティアヌス紀元(皇帝~の即位)=284年。
  • 731年にイングランド教会史をキリスト紀元で著す。
  • 10世紀に一部の国で使われ始める。
  • 15世紀に西欧で一般化される。

日本では

  • 16世紀に禁教前の戦国時代に伝わる。ちなみにグレゴリオ改暦の1582年、日本では本能寺の変が起こった年で、その日は和暦では天正10年6月2日、西暦(まだユリウス暦)で15820621は素数日だった。
  • 1872年に移行。明治5年12月2日(旧暦)の翌日を、明治6年1月1日(新暦)(グレゴリオ暦の1873年1月1日)とした。

閏年は歴法により若干の違いがあり

  • 紀元前45年にカエサルが導入したが暗殺された後、誤って3年に1回ずつ閏日が挿入された。
    • 紀元前44年、41年、38年、35年、32年、29年、26年、23年、20年、17年、14年、11年、8年(37年間、3年ごとに計13回の閏年)
  • 上記紀元前の閏年の誤りのため、閏年を補正した。
    • 紀元前7年~紀元7年(すべて平年)
    • 紀元前45年+紀元7年=52年間に13回とすべく補正
    • 紀元0年というものは存在せずそれは紀元前1年
  • 紀元8年(閏年復活)
    • 以降は4年に一度の閏年がある。(ユリウス暦では1年=365.25日)
    • 当時の紀元でも4で割り切れる年としている。
  • 1582年10月15日よりグレゴリオ暦に改暦し100で割れる年を平年に、400で割れる年を閏年として暦と季節のずれを抑制する改善を行う。

備考

  • 紀元前753年 ローマ建設元年。
  • 紀元前284年 ディオクレティアヌス紀元。
  • 紀元元日は計算上は日曜日
    • 以下で逆算可能
      • 西暦4年以外は必ず閏年がある事
      • 1582年はグレゴリオ暦に改暦したために調整され355日しかない事
      • グレゴリオ暦の新ルールにより1700年、1800年、1900年が平年である事
    • 曜日の概念は3~4世紀頃とされているので紀元1年1月1日の曜日には特に意味はないが、奇しくも始まりに相応しい日曜日だ。
    • 今日では、キリスト生誕は紀元前4年と考えられている。

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