Slide Rule Glossary

用語の統一のため整理中。

用語原語説明
計算尺システム
マネーム
(マンハイム)
Mannheim人名。直線的な計算尺の始祖。本来はフランス人なのでマネームらしいが、日本ではドイツ語読みのマンハイムが一般的。
リーツRietzNESTLERがマンハイムを進化させ、S尺をC,D尺に合わせた。
ダルムシュタット
(ダルムスタット)
Darmstabtドイツ、フランクフルト郊外のダルムシュタットの大学で考案された。英語読みと独語読み混合の「ダルムスタット」が一般的。原子番号110のダームスタチウムもこの都市の名に因んでいる。
構成部品
ストックStock基尺。本尺。臺 (台)尺。固定尺。Body。逸見治郎氏は特許書類の中で単に「臺 (台)」と記載している。
材料はBoxwood (黄楊)、Pearwood、マホガニー、竹、プラスチック、アルミなど、表面にセルロイドをラミネートしたのはD&P社が最初。
片面型の場合、上下の接合に金属部品が使われる事が多い。
両面型の場合、上下を両面両端のブラケットで接合する。
ステーターStator固定尺。両面型の場合、こちらで呼ぶこともある。
スライドSlide滑尺。中尺。逸見治郎氏は特許書類の中で「摺動杆」(しゅうどうかん?) と記載している。
接合板Joint plate片面型の上下のストックを接合しているもの。金属板 (鉄、真鍮、アルミ) が使用される。ヨーロッパの木製尺では埋め込まれて露出していない。HEMMIでは裏面全体に渡る薄板になっている。
ブラケットBracket両面型 (Duplex) 上下のストックを固定しているもの。平らに置いた時の脚としても機能する。
リベットRivetScrew (ネジ)、Nail (釘)、Pin (ピン) の総称。特に材料を区別する場合に、鉄ネジ、真鍮ネジ、アルミ釘、木ピン等と呼ぶ事にする。
カーソルCursorラテン語の「走る者」から。なので英語でrunnerとも。パソコンのカーソルもここから。
逸見治郎氏は特許書類の中で「摺動枠」(しゅうどうわく?)、後に「表示子」、フレームを「金属枠」、ヘアラインを「線」と記載している。
分離可能な場合、それぞれ次のように呼ぶ事にする:
  • ウィンドウ(ヘアラインを刻んだガラスやプラスチック)
  • フレーム(ウィンドウの枠となるアルミやステンレス)
  • ランナー(フレームが固定される台座)
  • 板バネ(尺本体との間で突っ張る)
  • ネジ(フレームやウィンドウを固定する)
アルミ矩形、アルミA型、DPI (Decimal Point Indicator:位取り) 付き、拡大鏡付き、ステンレス矩形、プラスチック、その他HEMMI No.80KやNo.86KのL字型のような特殊なものがある。ヘアラインは3本やそれ以上、kWやdなどが併記されるものがある。古いものは矩形でない「王」や「非」の字のような形でガラスはなく横棒の端で目盛りを指すようだ。
テーブル / チャートTable / Chart片面型の裏面に公式、定数、換算表、図形等を記載したもの。正式名は不明。古くはストック裏に直接印字したり、ステッカーで貼付けられたりしている。両面型では別に添付されるものがある。「(裏面|添付) テーブル (カード)」と呼ぶ事にする。
逸見治郎氏は特許書類の中で「計數公式ヲ明記シタル厚紙」後に「表記札」と記載している。
部位
表 (おもて) 面Front主機能がある面。両面型 (Duplex) の場合は銘のある面。
裏 (うら) 面Back
裏窓Back window裏面~溝部に貫通した窓。正式名称不明。片面型でスライド裏の目盛りを読むための目安線があり、長丸穴タイプや⊃⊂切欠きタイプ、さらに透明セルロイドが掛かったものがある。
溝 (ウェル)Gutter (Well)片面型のスライドが収まる凹部分。セルロイドの板が埋め込まれていることが多い。古いタイプにはそこに電気尺のような目盛りや、エッジ定規の延長目盛りが刻まれているものがある。わかりづらい英語のWellは名詞用法で「井戸」や「吹き抜け」の意味がある。
尺面Surface溝以外で目盛を刻んだ部分。
ベベルBevel片面"//Closed||"型の傾斜した"//"の部分。
エッジEdge片面"//Closed||"型の下側"||"の部分。
片面"||Closed||"型や両面型 (Duplex) の場合、上エッジ、下エッジと呼ぶ事にする。
エンドEnd左右の端を左エンド、右エンドと呼ぶ事にする。
目盛り:古いものは線路 (Railway Track) 状に線が刻まれている
定規Measure片面型のベベルやエッジに刻んだものさし。inchやcmがある。溝や裏面に刻まれるものもある。
ゲージマークGauge markπのように計算によく使われる定数部分に刻んだマーク。よく使いこんだ計算尺には使用者独自のマークが刻んであったりする。
A,B尺2単位の対数目盛り。C,D尺xに対して x^2。
C,D尺1単位の対数目盛り。L尺xに対して 10^x。
K尺Kubish (独)3単位の対数目盛り。C,Dxに対して x^3。
L尺Logarithm常用対数。C,D尺xに対して log(x)。等間隔なのでcm定規と共用の場合がある。
CI, DI尺C,D InverseC,D尺の逆尺。連続計算に便利。
CF, DF尺C,D Fold目外れ時にずらして読む。
T尺Tangent正接の目盛り。概ね6-45°。
T1,T2尺T尺の拡張目盛り。T1:5°30'-45°、T2:45-84°。
S尺Sine正弦の目盛り。概ね6-70 (cos 20-84) °。
ST (S&T) 尺微小角のSin/Tan共用。概ね35'-5°30'。
TI尺T InverseT尺の逆尺。ベクトル計算 (a*tanΘ) に便利。SI尺と共にHEMMIの特許だったとか。
SI尺S InverseS尺の逆尺。ベクトル計算 (a*sinΘ, a*cosΘ) に便利。
P尺Phytagorean√ (1-X^2)。cosやST尺の代用も可能。また、Xを「速度v/光速度c」と見做せばローレンツ因子がDI、逆数がDとして使用できる。光速の86.6%(P=0.866)に達した場合、時間が2倍(DI=2)に伸び、長さが半分(D=0.5)に縮むことがカーソルだけで分かる。
LLn尺Log-Log高べき計算用。nは0,1,2,3。L0がないものはDで代用。1.001-20000。LL3はD尺xに対してe^x。
LL/n尺Log-Log逆数の高べき計算用。0.999-0.0001。
ブランド(製造メーカー、リテーラー)
デンネルト・ウント・パーペDennert & Papeドイツ。後のARISTO。尺面にセルロイドをラミネートした。ネスラーにもブランクの尺を供給していた。
アリストARISTOドイツ。
ネスラーNESTLERドイツ。リーツ式を考案。
A.W.ファーバーA.W.FABERドイツ。後に A.W.FABER CASTELL。筋金入りの尺は100年経っても反らない。
ヘンミHEMMI日本。中村浅吉測量器械店から独立→逸見治郎商店→合資会社逸見製作所→ヘンミ計算尺株式会社。ヘンミ計算尺のシェアが日本で約98%、世界では約80%を占めた。
玉屋商店TAMAYA CO.日本。HEMMI創生期のOEM先。
フジFUJI日本。技研工業から。
リレーRelay日本。東洋特専興業→リレー→三愛計器→理研光学→リコーか。
リコーRICOH日本。
コンサイスCONCISE日本。
ピケットPickett & Eckelアメリカ。
キューフェル・アンド・エッサーK+Eアメリカ。二人のドイツ系移民KEUFFEL&ESSERが起業。カーソルフレームの土台プラがボロボロになる事で有名?
バルボテウBARBOTHEUフランス。製図機器を製造。
オーティス・キングOtis Kingイギリス。円筒型計算尺を製造。

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