2023/08/14

HEMMI ポケットサイズのマンハイム

4インチのポケットサイズのマンハイム尺No.30、No.32は同一型番としては歴史が長く、1930年からあるロングセラーモデル。最も古いタイプには両端のリベット止めや、トラディショナルな位取り備忘マーク「←±|∓→」「Quot +1」「Prod -1」が残っている。No.32のカーソルはガラス製のレンズが装着されており本体に比して重みがあるため、ポケットにしまう際はレンズを下にした方が落ちにくいだろう。小型なので目盛りを精密に読むのは厳しく、作業の現場で概算を得るために使うものと想像する。新しいタイプではアクリル製の一体化レンズカーソルで軽量化されている。私の父も持っていた。(実は私のコレクションの第一号がこの親父の形見だ)。No.32やNo.2634はノベルティとしてもよく利用されている。ここで紹介している最も古いNo.32のケースはエジソン蓄電池カンパニーとなっているが、90年以上前からノベルティとしての用途があった事実と、経年の割に状態が非常に良い事に驚いた。

器種
概要
タイトルHEMMI ポケットサイズのマンハイム
ブランドHEMMI
型番①③④⑤⑦No.32
②⑥No.30
ロゴ①ストック裏下にHEMMI 〇"SUN"〇、アルミプレート裏にパンチ●"SUN"●
②ストック裏下に〇"SUN"〇 HEMMI、アルミプレート裏にエンボス●"SUN"●(但し裏返しは水平方向にフリップ)
③ストック裏下に〇"SUN"〇 HEMMI
④ストック裏下に〇SUN〇 HEMMI
⑤⑥ストック裏上に〇SUN〇 HEMMI
⑦ストック表右上に〇SUN〇 HEMMI
①引用符""は内向き
②③引用符""は垂直
〇は太陽に光線 (クサビ形長短①③6本、②④8本、⑤⑥⑦フラット長短8本)、
●は太陽に光線 (クサビ形長短8本)、
雲 (2本線)、左右同一
サイズ4 "
スタイル//Closed||
システムMannheim
製造時期①1930年~1932年7月30日以前 (*1)
②1930年代中期(構造は古いがPAT表記が無い)
③1930-43?
④1947-52 (*1)
⑤1963/8 (NH)
⑥1964/9 (OI)
⑦1968/9 (SI)
製造国①②③⑤⑥⑦日本 ④MIOJ (*2)
構造①②【ヘンミ片面G5薄型リベットあり】
③④⑤⑥⑦【ヘンミ片面G5薄型】
溝:接合版露出
裏窓:⊃⊂切欠+右のみ透明セルロイド
接合版:アルミ
寸法
[mm]
長さ①②③122
④⑤⑥⑦120
①20
②20.8
③20.2
④⑤⑥⑦21.5
厚さ③5.5
④⑤⑥⑦6
重量
[g]
総重量①③④16
⑤18
⑥15
②⑦13
カーソル①③④5
⑤6
⑥3
②⑦2
材質 本体竹、セルロイド
接合版:アルミ
リベット:アルミ
カーソルフレーム:①B型フレームレス、②③④⑤⑥ステンレス、⑦レンズ一体型アクリル
板バネ:鉄
ウィンドウ:①②③④⑤⑥ガラス
ランナー:①セルロイド
レンズ:①(ウィンドウに接着)③④⑤ガラス、⑦アクリル

目盛り
表面A
①②③[B, C]、④⑤⑥⑦[B, CI, C]
D
裏面-
[S, L, T]
-
計・備考①②③7尺
④⑤⑥⑦8尺
その他
目盛り
ゲージ
マーク
π=3.1416【①②③⑤⑥⑦A,B,C,D尺、④C,D尺】
C=√(4/π): C,D尺の直径からA,B尺に面積を計算。【⑤⑥⑦C尺】
定規①②③上inch、下cm
④上inch
⑤⑥⑦上cm
付属品 ケース③薄豚革
④晒布に黒コーティング
①②⑤⑥⑦豚革
マニュアル
その他③裏テーブル
⑦箱
備考 特許等①ストック裏下に日英仏PAT、カーソルにPAT No.51788
その他①ケースに型押し金文字あり、エジソン蓄電池カンパニーのノベルティ

*1①エジソン蓄電池カンパニー(1901年5月27日~1932年7月30日)のノベルティより。その後はトーマスA.エジソン社の蓄電池部門を経て、1960年7月20日に Electric Storage Battery Company へ売却され、現在の Exide Technologies に至る。
*2④MIOJ="MADE IN OCCUPIED JAPAN"は1947-52年に日本からの輸出品にGHQが義務付けたもの。戦後直後の物資不足が覗われ、ケースは合皮?というより、晒(さらし)布にビニールをコーティングしたような安価な素材のためボロボロになっている。

常態・ケース表面

常態・ケース裏面

表面

裏面


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